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http://success-interior.jp
Air BnBはインテリアコーディネーターの腕の見せ場!民泊はビジュアルで選ばれる?が5月27日号に掲載されました。
掲題の記事、
http://success-interior.jp/air-bnb/
Air BnB(エアービーアンドビー)という名称を聞いたことがありますか?テレビなどで話題の、インターネット上の「民泊」仲介プラットフォームですが、このWebページで重要なのが実はインテリアの写真なのです。その理由とは?
Air BnB(エアービーアンドビー)はアメリカでスタートしたサービスですが、2014年に日本法人が設立されてからは、日本国内での利用者が急増しているようです。そして利用者の9割以上は外国人であるとのこと。
一方、部屋を貸す側(ホスト)は賃貸マンションだったり、雑居ビルの一室だったり、投資用に購入された分譲マンションだったりと様々です。
実は僕もよく知らなくて、「民泊」というと、外国人がとにかく安く泊まれる簡易な宿泊施設、というイメージがあったのですが、Air BnBのサイトを見てびっくりしました。
宿泊施設の写真が多数公開されていますが、それぞれに趣向を凝らしていて、かっこいいインテリアの部屋がいっぱいあるんですね。
そのAir BnB(エアービーアンドビー)用の部屋を最近コーディネートされたという株式会社メリーポピンズの中山瑞穂さん(日本フリーランスコーディネーター協会理事)にお話を伺いました。
― Air BnB(エアービーアンドビー)用の部屋をインテリアコーディネートされたきっかけは?
中山:中小企業化同友会で以前から懇意にしている方から、所有するマンションをAir BnB(エアービーアンドビー)用にしたいのでインテリアを手がけてほしい、と依頼をいただいたんです。
― どんなテイストでインテリアコーディネートしてほしい、というようなリクエストはあったんでしょうか?
中山:「全面的にお任せする」と言っていただきましたので、メインターゲットである外国からのお客様に、日本の魅力を感じてもらえるような設えにすることを心掛けました。それが、こちらです。
― これはものすごいインパクトです!
中山:外国人向けですから、華やかな着物をベッドヘッドに掛けて日本の美を感じて欲しいと思いました。
― 壁面に飾られているのは本物の着物でしょうか?
中山:はい。花嫁衣装として使われた正絹の打掛です。
― となると相当に高価なものですよね?
中山:実はそうでもありません。中古のものを探せば、思いのほか安く入手できるんですよ。
― 中山さんは着物も趣味にされていらっしゃるので、目利きもできるということですね。
中山:はい。着物が大好きなので、着物を使ったインテリアコーディネートをいつかやってみたいと思っていましたが、今回それが叶いました。それに、着物を使った製品も開発したんですよ。それがこちらです。
― これは着物の生地で作ったカーテンでしょうか?
中山:そうです。生地には、結婚式の時にお母様やご親戚の女性がお召しになる付け下げという着物をつかっています。カーテンの上部と紐に紫の布をつけました。また、上部の布には中央に紋を入れています。
この製品のポイントは着物生地であることの他にもう一つあるんです。飾りにつけた紐を引き上げて縛ることで、このようにできるんです。
― これは和風のバルーンシェードのようですね!
中山:このように加工したカーテンはたぶん他にはないと思います。なので、着物や和柄を用いたオリジナルデザインのカーテンとして特許を出願しています。今回、別デザインのものも作ったので部屋ごとに雰囲気を変えてコーディネートしてみました。
― こちらは古(いにしえ)の御几帳のようですね。
中山:はい、その名も几帳カーテンです。
― 今回、Air BnB(エアービーアンドビー)の部屋のインテリアコーディネートを手がけられていかがでしたか?
中山:私は和のテイストが大好きなのですが、実際に取り入れたお仕事はなかなかありませんでした。なので、CGで楽しんでいたのですが、今回のAir BnB(エアービーアンドビー)は外国の方向けということで、趣味全開のお仕事ができてとても楽しかったです。
こちらのお部屋はまだオープンしたばかりですが、利用されたお客様の評判次第ではシリーズ化も考えられますね。東京や大阪、福岡など、海外からの旅行者が増加している地域では宿泊施設が足りないという声を聞きますから、Air BnB(エアービーアンドビー)のような民泊は今後増えていくでしょう。そして、どの部屋を選ぶかはWeb上のインテリア写真が重要な選択基準になりますから、私たちインテリアコーディネーターが腕をふるう場の一つだと思います。
― 本日はありがとうございました。
(写真提供:株式会社メリーポピンズ 文:編集部 西脇 功)