<炭の歴史>
新石器時代の頃から木炭が用いられてきましたが、
平安時代になると山林部を中心に炭焼きが広く行われ商品化されるようになりました。また、荘園などの年貢としても徴収されました。
妙炭は平安時代に登場した比較的新しい炭で火付が悪いが長く燃焼するのが特徴でした。
荒炭は元々炭焼きの最後の段階で釜口を大きく開けて空気を入れ高温にしてから外に出し灰をかけて消す窯外消火法による白灰が主流でしたが、長持ちはするが硬質で火付が悪いものでした。
室町時代後期から江戸時代にかけて窯が冷えてから外に出す窯内消火法による軟質で火付の良い黒炭が生み出されました。ただし白炭・黒炭の区別が確立したのは近代以降であると言われています。
炭は太平洋戦争後、石油や都市ガスが普及するまで、産業分野や都心の一般家庭でも普通に用いられる燃料でした。
現在燃料としての用途は減っていますが、「炭火焼き」で調理された料理の人気が高い事から、紀州備長炭などが注目を集めています。野菜、うなぎ、焼き鳥、焼き肉、焼き魚などを炭火で焼く古くからの料理法が人気を呼んでいます。